taotrooper: It's a polar bear dancing the hula; your argument is invalid (Default)
Kiri ☂ ([personal profile] taotrooper) wrote2004-04-01 12:07 am

Six

【~旅にでよう~】


今日は朝からすごく天気がいい。
ぽかぽかお日様気持ちいい。
いつもはお昼寝してるんだけど、今日はちょっとちがう。


クロウと侑子に色んなことを教わって
色んなことを勉強したから、
すこしづつ、分かることとか出来ることが増えてきた。


だから今日は、二人でおでかけしよう。
クロウが作ってくれたカバンを持って。

こういうのは、「旅」っていうんだって、
侑子が教えてくれた。


ソエルとラーグ。
ふたりで旅に出よう。

色んなものをみて、色んな所へいって、
侑子とクロウにおみやげ持って帰ろう。


じゃ、出発だ。



【~旅にでたそのすぐ後~】


「ちょっとクロウ。そっちにラーグとソエル、行ってる?」
「いいや、来てないよ。ということは、君の家にはいないのかな、侑子」

「そうなのよ。どこかへ出かけたらしいのよ。クロウがつくってあげた鞄もないし、なんだかあたしの部屋からも色々なくなってるっぽいのよ」
「どこかへでかけたかったのかな」

「たかったのかな、じゃないわよ。この世界ではモコナみたいなのは勝手に出歩いたりしないのよ。
ユエだって羽根をしまわないといけないし、ケルベロスは掴まっちゃうでしょ。あのままじゃ」

「うーん、どこへ行ったのかなあ」
「どこかで騒ぎになる前に、探し出さないと」
「そうだね」

「まったく、何でも楽しんじゃうとことか、すぐ大騒ぎの元になるとことか、誰に似たのかしら」
「誰だろうね」
「なんか声が笑ってるわよ、クロウ」
「あははは。とにかく、探そうか」



【~あれはどうかな~】


ぽかぽかあったかい。
どんどん歩く。
ときどき跳ねる。

いい天気だね。
二人で一緒に旅は楽しいね。



あ。塀の上になにか発見。
あれ、なんだろ。

ネコだよ。
ネコだね。

ネコは侑子が大好きだよ。
クロウも好きだ。

あれ、おみやげにどうかな。
いいね。おみやげ。

でも、クロウが、
「ユエはネコみたいだからねぇ」って言ってたよ。
ってことは、ユエはネコ?
ネコはもういるから、おみやげ、別のがいい?

そうかも。
そうだね。

ネコさん、可愛いけど、別のおみやげ探そう。


じゃあね、ネコさん。
またね。
またね。

今度会ったら、遊んでね。



【~そしてその頃~】


「どこへ行ったのかしら。ソエルとラーグは」
「二人とも歩くの早いからねぇ」
「あれは歩くというより、弾んでるのよ。だから早いの。ああ、それより外でなんでもかんでも飲み込んでないといいけど」

「危ないものとかだと、心配かな」
「違うわ。そんな面白そうなところ見られないと、悔しいじゃない」
「だと思ったよ」

「とにかく、さらに捜索よ」